
遠いと思っていた内陸部の秋田山形県境だったが、高速道路の恩恵で、遠回りになるけれど二時間半もあれば行けるようになった。そこから30分も車移動すると、若々しくスラリとしたブナの空間が癒やしてくれる甑峠真室川からの入り口。
あきた山の學校隊8名と、まさにトレールウォークという表現がピッタリの峠周辺巡り。つづく。

すぐに美しいブナの森は現れた。地元「甑山探究会」の面々が植樹会の手入れを行っていたが、すぐ脇には巨木の森コンサートの会場。ほだ木?と思った丸太並びはベンチだった。

ポツリポツリと雨のしずくが落ちるなか、森の巨人百選メンバーである大カツラはその先の斜面の付け根にあたる湿った平場にけた違いの大きさでそびえていた。が、視線は根元に大発生していたサワモザシへ。その後、U太郎隊長から、「脇見して歩くよーに」という指示が出される



男(甑)女(甑)のコルへ、そして男甑へと容赦ない急登が安穏とした森歩きのスパイスとなり、山頂での昼食に旨みをプラスした。

覗き込む足元は迫力の雪触地形。吊り尾根でつながった烏帽子岩から眺める男甑南岩壁の姿は圧巻であった。その上でのんびりしてる‥。


下山に使った県境尾根につけられたミチもなかなか雰囲気のよい明るい森のルート。女甑の西裾にきらめいていた名勝沼の畔を経由して、藩政時代の交通路だったという矢島街道に合流すると、再び穏やかな歩道となり、秋田側のスギ造林地は、甑峠を境に山形に入った途端、また心地よいブナの森となり、いつの間にかコンサート会場に戻ってきていた。地図に載っていない歩道がいろいろあって、いつかまた彷徨いてみたいと思った。